床暖房は家電と違い、なかなかお施主さまご自身で製品選びをするのは難しいものです。ガス温水式床暖房なのか、電気式床暖房なのか(さらに昼間電力式なのか、深夜電力を使う蓄熱式なのか)…。お住まいの条件によってある程度は決まってきますが、さらにどのメーカーのどの製品が適しているのか判断しなければなりません。
多くの場合、お住まいを担当する建築設計事務所や工務店に床暖房製品をいくつか挙げてもらい、その中から選択することになると思います。しかし、床暖房を手がけることに慣れた建築設計事務所や工務店ばかりではありません。家づくりはさまざまな設備に目配りしながら行うため、全ての住宅設備にあらかじめ精通するのは難しく、建築設計事務所や工務店によっては、メーカーの知名度や、メーカーカタログに書かれていることを頼りに製品選びをしてしまうかも知れません。すでに他の設備で多くの取引をしている(=仕入価格が抑えられる)メーカーだから、という理由でお施主さまにおすすめするケースもまれにあるようです。
床暖房に関する多くの「引き出し」を持っています。20年以上にわたる設計・施工の中で、つねにフェアな視点で床暖房製品を評価してきた自負があります。有名なメーカーだから安心であると先入観を持たず、常に自分たちの考え方・経験を基準に製品選びをしています。
床暖房は発熱体だけで完成する簡単な電気製品であると思われがちで、実際多くのメーカーから発売されています。しかし床暖房は、正しい施工をともなって初めて完成するものです。したがって、施工に制限をつけるもの(※1)、特定の長所ばかりを喧伝して短所を施工に補完させる製品(※2)は選びません。